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〜 五感で感じる、須藤流“道の楽しみ方” 〜

聞き手 著書「絶景を走る 日本百名道」拝読させていただきました。
この本を書かれた理由を教えてください。
須藤さん これまで、ドライブガイドや風景ガイドを書いてきましたので、道をよく知っていたというのがあります。その中で、まさに絶景というか、日本の良い景色、美しい風景というのを整理してみようという気持ちになりました。
それと風景とともにもう一つ、道自体の美しさも表現したいという気持ちもありました。例えば、上から道を見たときの曲線美のような。
風景と道、この2点をとりあげたいという気持ちから、この本の執筆にいたりました。
聞き手 道自体の美しさって、もう少し具体的にいうとどういうことでしょうか?
須藤さん ドライブが好きな人であれば、自分が走ってきた道が見えるというのは感動するものです。そこを走っているときにはわからないんだけど、一度止まって振り返ると本当に楽しいものです。
高台にある展望台を造るときなんかも、見晴らしだけで選ぶのではなく、そこに至る道がきれいに見える場所に造ったほうががいいと思いますね。この本の写真も、道が写ってないとつまらないものも結構あります。
聞き手 この本の内容で工夫したことは?
須藤さん 日本の四季は本当に美しいですよね。日本には、その時期でしか見られない景色があります。そういうのを写真で表現するのが好きなんです。季節と時間。夕焼けがきれいな場所は、夕焼けに行って撮らなきゃいけない。特に、季節にはこだわりました。
聞き手 オススメの季節などもこの本では、ちゃんと説明されてますよね。
須藤さん そうです。いつ行ってもいいところもあると思いますが、せっかくなら“この道は秋に行ってほしい”とか“新緑の頃に行ってほしい”という気持ちは強いです。
聞き手 今の時期でオススメの道路はどこですか?
須藤さん 高知県の足摺サニーロードはいいですよ。夏は暑いので、冬が良いです。でも、初めてここに行ったときには、まだこの名前がついていなかったのです。
もともとこの道は、高知県庁の観光課で推薦されたんですが、そのときに私は、是非名前をつけてほしいとお願いしたのですが、その後サニーロードという名前が付いたのを知りました。
聞き手 この道では、何が印象的ですか?
須藤さん 県庁の人に「“黒潮”が目で見えますよ」と言われました。
それで実際に見てみたら、びっくりしました。まさに絶景です。
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高知県 足摺サニーロード(著書 「日本百名道」より)
聞き手 他に、いまの時期にオススメの道路はありますか?
須藤さん あと、和歌山の高野龍神スカイラインもいいです。ここは、秋・初冬には朝霧が出ます。山すその方に霧が出てくる感じは、とても神秘的です。道路自体は紀伊半島の尾根沿いを走っているイメージですが、夕焼けが本当にきれいです。
聞き手 この道路を選ばれたきっかけは?
須藤さん 昔から知っていたのですが、アクセスが悪いので、あまり注目されていなかったようです。もともと有料道路だったのですが、2003年10月より無料になって、最近は走る人が増えてきたみたいです。
観光ポイントはあまり無いので、まさに“道を楽しむ”という道路です。高野山までもすぐで、龍神温泉に寄って帰ってくると最高ですね。
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和歌山県 高野龍神スカイライン(著書 「日本百名道」より)
聞き手 あと、この本では北海道の写真が多いですよね。
須藤さん やっぱり北海道には良い道が多いです。道道クラスでもいい道がいっぱいあります。
北海道だけでも2,30本選べますよ。
聞き手 北海道の中で、特にどんな道がオススメですか?
須藤さん 観光としては、道東がおすすめです。あとはこの写真のようなまっすぐな道かな。この道は、天塩をすぎるとすぐに30本の風車が一列に並んでるんです。これは圧巻です。
もう少し進むと、電柱も無くなって、何も無い“まっすぐな”道が現れます。つまらないと思う人にはつまらないかもしれないけど、美しい道ですよね。
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北海道 道道106号サロベツ原野(著書 「日本百名道」より)
聞き手 プロに聞くのは恐縮なのですが、美しい“道の写真”を撮影する秘訣は何ですか?
須藤さん 難しい質問ですが(笑)・・・。写真は目で見たとおりにしか写りませんからね。いい時期に行くしかないです。一番いい時期の一番いい時間に行く、ということですかね。
それと、こまめに止まってみるということ。ちょっと良いなあと思ったら、止めてみる(もちろん安全な場所で)。その繰り返しです。車の中から見てるだけじゃわからない部分も多いですから。
絵やイラストを描く人は簡単だけど、写真は良い景色が得られるまで、同じ所に何回も行くしかないんです。だから撮影スポットを覚えておくことがポイントです。
聞き手 絶景スポットを見つけるコツは?
須藤さん ジグザグの道は、上まで登ると期待できます。
いわゆるワインディングロードを登り切ったあたりが狙い目です。
聞き手 須藤さん流の道路の楽しみ方について、教えてください。
須藤さん ドライブは単なる移動とは考えずに、「散歩みたいに走る」というのが僕の楽しみ方です。一気に走るのも、それはそれで楽しいですが、ゆっくり風景とかにおいとか、明るさとかを感じるのが好きです。
季節ごとの景色を期待していくのも楽しいですね。例えば、海沿いの道だったら、「夏の海は青いだろうな」という感じ。オートバイだと気温の変化やにおいの変化がよくわかります。
聞き手 オートバイ独特のものですね。
須藤さん オートバイでも走りながらじゃないとわからない。車も窓を開けているとわかるんだけど。海が近いと、だんだん潮のにおいがしてくる感覚。気温もそうです。寒いときは寒いなりの楽しさがある。夏もついついエアコンつけちゃうのですが、生暖かくて、夏っぽい感覚がいいときもある。
こういうにおいとか気温のような感覚が、風景の感動を盛り上げているのだと思います。
聞き手 ドライブやツーリングで、何を楽しみ行くのかにもよるのでしょうか?
須藤さん そうですね。でも、どうせなら五感で感じて楽しんだ方がいいと思います。温泉に泊まるのだって、滝の音があると風情がありますよね。
聞き手 海外の道路と日本の道路では、どんなところが違いますか?
須藤さん 具体的な話になっちゃいますが、日本はラインがきれいなんだと思うんですよ。センターラインとか、道の横のラインとか。海外は薄いですよね。線のない道もある。日本は薄くなるとすぐ書いてくれるじゃないですか。だから日本の道はいいですよ。整備状況も違うし。
聞き手 そういえば、須藤さんの写真は、センターラインがきれいですね。
須藤さん 写すときもセンターラインを意識してます。「道」っていう感じがしますよね。
聞き手 最近増えてきた「道の駅」については、どのように利用されていますか?
須藤さん 高速道路のSA,PAみたいなイメージですね。思い浮かぶのは、トイレと食事かな。昔はドライブインっていうのがあったけど、特に女性の人にとっては、トイレが重要なので、重宝していると思います。私も「道の駅」があるとうれしいですよ。取材に関しても楽になったし。
聞き手 今後「道の駅」には、どんな機能を期待されますか?
須藤さん 地域ごとに差が大きいですよね。自治体がやっているから、地元のものを売りたいというのが出過ぎなのかもしれません。もっと周辺の観光ガイドに力を入れてほしいと思います。あと、ちょっとした子どもが遊べる施設があるといいですね。
聞き手 二輪車向けのETCも導入されることになりましたが、ETCについてはどのような印象をお持ちですか?
須藤さん ETCはすぐにつけました。“待ってました”という感じ。ただ、設置するのにお金がかかるので、あまり高速道路を使わない人には負担が大きいのかも。二輪車には絶対必要だと思いますよ。だって、二輪車は手袋取ったり、財布を取り出したり、いろいろしなきゃいけないから。一度使うとやめられないですよ。あと、最近はサービスエリアで出入りが出来るETCゲートもありますよね。これ便利ですよ。
聞き手 それ“スマートIC(インターチェンジ)”っていうんです。今、全国で社会実験中です。
須藤さん そうなんですか。やってるところとやってないところがありますよね。実験をしている場所の表示をしてほしいですね。
聞き手 “カーナビ”なんかは利用されますか?
須藤さん 使ってます。これも無いとだめですね(笑)。今や無いと不安です。
聞き手 ナビの機能で、こんなのがあったらいいなとかあります?
須藤さん ネットと連動するのがいいのではないでしょうか。ネットの観光情報は充実しています。そんなのがナビで見られるといいですね。
聞き手 車、バイクの利用者として、ガソリン税など道路整備のための税金を負担されていることと思いますが、一人の納税者として今後の道路整備について、どのようなことを望みますか?
須藤さん 私は多摩ニュータウンに住んでいるのですが、車と歩行者の道が完全に分かれているんですよ。自宅から車の道を通らずに駅まで行ける。こういうのはいいですよね。“人間と車の通る道を分ける”ということを望みます。
聞き手 一部に「日本の道路は十分に整備された」という声があります。このような意見に対しては、どのように思われますか?
須藤さん 地方は整備されている印象がありますね。農道とか立派なのがあって、車が通らないのにもったいないなと思うのもある。だから、都会の道をなんとかしてほしいと思いますね。
例えば、環八の渋滞とか。渋滞って言うのは経済的損失が大きいと思います。地方の道はわりと良いバイパスが出来ているのに、東京では何で出来ていないんだろうと思うことがあります。だから、個人的には都会の整備が気になっていますね。
聞き手 地方の道路整備は十分と思いますか?
須藤さん ほんとに田舎に行くと道が悪くて、移動に時間がかかるところがあります。そんなところは、新しい道が出来た瞬間にすごく便利になります。橋梁の建設とか、昔は技術的に難しかったところが今はできるというのもありますよね。
聞き手 須藤さんの写真には、きれいな橋の写真もありますが。
須藤さん 新しい橋とかは、観光の柱にもなるんです。この本にもありますが、山口県の角島大橋とかはすごくきれいです。走ってて眺めがいいですよね。ここは道自体が観光名所になっていると思うのですが、そんな道がもっとたくさんあるといいですね。でも、やっぱり個人的には“外環を早く!”みたいなところはありますが(笑)。
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山口県 角島大橋(著書 「日本百名道」より)
聞き手 道路特定財源制度については、どのように思われますか?
須藤さん 税金っていうのはよくわからないですね。特定財源ってやつですよね・・・。取材に行って一番お金がかかるのは、ガソリン代と高速代なんです。個人的には、税金と高速道路料金をもっと安くしてほしいと思います。
聞き手 ありがとうございました。
(本の紹介)
絶景を走る 日本百名道(新版)
著者 須藤英一
発行 大泉書店
http://www.ramble.net/sudo/road100/
